宮崎談合、土木部長が知事の関与示す供述

宮崎談合、土木部長が知事の関与示す供述

 宮崎県の官製談合事件で、土木部長の藤本坦容疑者(59)が宮崎県警捜査2課の調べに「出納長から『知事が困っているから頼む』と言われた」と供述していることが分かった。出納長の江藤隆容疑者(63)も「すべて自分の意思ではない」との趣旨の供述をしているという。同課は安藤忠恕知事(65)の立件に向け、さらに江藤容疑者から詳しい供述を得て事件の全容解明を急ぎたい考えだ。

 安藤知事は今後、事情聴取を受けることになるとの認識を示した上で「まったく関与していないので、事実を申し上げたい」としている。

 調べでは、江藤容疑者は昨年春、出納長室で藤本容疑者に「ヤマト設計にできるだけ多く仕事を回してくれ」と指示。「8000万円ぐらいの仕事をやってくれ」とも持ち掛けていた。

 この時期、ヤマト設計側が、知事後援会の元国会議員秘書への資金提供問題暴露をちらつかせながら知事に受注工作をしており、江藤容疑者も知事の窮状を認識していたとみられる。

 藤本容疑者は江藤容疑者に「指名業者に入れることしかできない。8000万円は無理」と難色を示したが、結局、土木部次長に「ヤマトを指名業者に入れる。5000万円ほどの仕事をなんとかできないか」と話していた。