和歌山談合、知事強制捜査へ詰め…検察が最終協議へ

和歌山談合、知事強制捜査へ詰め…検察が最終協議へ
 和歌山県発注工事を巡る談合事件で、大阪地検特捜部は、木村良樹知事(54)(辞職表明)に対する強制捜査を視野に、週内にも上級庁と最終協議に入る方針を固めた。

 元県出納長・水谷聡明(さとあき)被告(60)(再逮捕)が、2004年8月の木村知事再選に貢献した地元業者を優遇したとされる「官製談合」の捜査は大詰めを迎えた。

 これまでの調べで、水谷被告は、談合の仕切り役だった大手ゼネコン「大林組」元顧問・日沖九功(ちかのり)被告(64)(起訴)らと共謀。04年11月10日の下水道工事の入札で、準大手ゼネコン「熊谷組」の共同企業体(JV)が受注できるよう調整したうえ、知事の再選を支援した同県海南市の建設会社「丸山組」をJVに加えるなどしたとして、競売入札妨害(談合)容疑で逮捕された。

 調べに対し、水谷被告は丸山組をJVに参加させた経緯について、「知事から、『選挙で世話になったのでよろしく頼む』と言われた」と供述。丸山組社長の田渕利幸容疑者(51)(逮捕)も、「下水道工事の受注実績がほしかったので、選挙後、水谷被告に工事を受注できるよう頼んだ」と話していることが判明している。

 特捜部は、受注調整が知事再選の約3か月後に行われており、丸山組の参入は選挙支援の見返りだったと判断している。

 また、木村知事は、受注調整の時期に、知人の元ゴルフ場経営、井山義一被告(56)(再逮捕)から海外高級ブランドの腕時計を贈られていたことから、特捜部は趣旨についても特定を進め、木村知事への強制捜査を行う方向で最終協議に臨むとみられる。