専門商社、防衛庁に水増し請求 十数年間仕入れ値偽る

専門商社、防衛庁に水増し請求 十数年間仕入れ値偽る
2006年11月11日07時11分
 防衛庁発注の航空機輸入部品を巡り、神戸市の専門商社が、仕入れ値をごまかすなどの手口で過大な請求を十数年前から続けていたことがわかった。同社は朝日新聞の取材に、水増し請求を大筋で認めた。防衛庁は9日に同社から報告を受け、調査を始めた。

 水増し請求していたのは「富士インダストリーズ」(山田純嗣社長)。航空機用部品や精密機器などを扱う。信用調査会社によると05年9月期の売上高は117億円。

 同社の説明によると、航空自衛隊の戦闘機などの部品を随意契約で受注し、主に米企業から仕入れている。同庁との取引は20年ほど前から続いており、取引額は年間1億5000万円前後という。

 水増しは、仕入れ先から送られてくる伝票の原価を書き換える手口で行われており、多くは実際の仕入れ値の5〜10倍程度に改ざんし、防衛庁に提出していた。