和歌山県発注工事をめぐる談合事件

選挙支援見返り強まる

 和歌山県発注工事をめぐる談合事件で、元県出納長、水谷聡明(さとあき)容疑者(60)の再逮捕容疑の対象となった下水道工事を共同企業体(JV)で受注した建設会社「丸山組」(同県海南市)が、入札(平成16年8月)がいったん取りやめられた後の再入札(同年11月)で受注JVに参入したのは、水谷容疑者の指示だったことが7日、関係者の話で分かった。木村良樹知事(54)の再選に貢献した企業が、知事選(同年8月)をはさんだ再入札で「天の声」を受けてJVに参入したことが判明したことで、受注は選挙支援への見返りだった疑いが強まった。

 下水道工事は16年8月に入札予定だったが、新潟市発注工事をめぐる官製談合事件の影響で取りやめとなり、知事選をはさんだ10月に再公告。当初の入札に参加していなかった丸山組は、別の業者と入れ替わる形で準大手ゼネコン・熊谷組のJVに参入した。

 関係者によると、入れ替えは水谷容疑者の指示で行われ、談合の仕切り役だった元大林組顧問、日沖九功(ちかのり)被告(64)に伝えられたという。入れ替えられた土建会社の関係者も「JVから外れたのは『天の声』があったため」と証言している。