談合事件、和歌山県知事聴取へ

談合事件、和歌山県知事聴取へ
 和歌山県発注工事を巡る談合事件で、元出納長・水谷聡明(さとあき)被告(60)(起訴)が、大阪地検特捜部の調べに対し、再逮捕容疑となった下水道工事を落札した共同企業体(JV)に、木村良樹知事(54)(辞職表明)の再選を支援した地元業者を参加させたことについて「知事の意向で業者を選んだ」と供述していることがわかった。

 特捜部は、知事の関与を示唆する初の供述として重視しており、選挙支援の見返りだった可能性もあるとみて、木村知事を事情聴取する方針で慎重に捜査を進めている。

 調べでは、水谷被告は2004年11月10日に行われた「紀の川中流流域下水道那賀幹線シールド工事」の入札前、談合の仕切り役だった大手ゼネコン「大林組」顧問・日沖九功(ちかのり)被告(64)(起訴)らから、熊谷組を幹事社とするJVに受注させるとの調整結果を伝えられて了承し、同県海南市の建設会社を参加させるよう要請したとされる。

 関係者によると、この地元業者は木村知事が再選を果たした04年の知事選で、事務所用地を提供したり、集会での動員要請を進めたりするなど、熱心に選挙活動を展開。また、同社役員が00年からの5年間に、知事の二つの政治団体に計146万円を献金していた。