木村知事は同日、「一身上の都合で辞職したい」とする辞職願を向井

和歌山県木村良樹知事(54)は2日、県発注工事をめぐる談合事件で県出納長だった水谷聡明容疑者(60)らが再逮捕されたことなどを受け、「県政を非常に混乱させていることの責任を取る」と辞意を表明した。県庁ナンバー3の前出納長が業者選定に関与したとして、大阪地検特捜部が捜査を進めている官製談合事件は、改革派で知られた自治体トップの辞職へと発展した。

 木村知事は同日、「一身上の都合で辞職したい」とする辞職願を向井嘉久蔵県会議長に提出。早ければ年内にも出直し選挙が行われる。

 木村知事は緊急会見を開き「今回の事件には全然関与していない。何もやましいことはない」とあらためて自らの潔白を強調。「いろいろ波紋を引き起こした責任を取って退任しようと思った。潔癖に県政のために頑張ってきたが理解されないと思った」と辞職の理由を説明した。

 水谷容疑者の新たな談合容疑についても「何にも関係ない。まったく知らなかった」と述べた。

 談合事件では、水谷容疑者と、知事の知人の元ゴルフ場経営、井山義一容疑者(56)が特捜部に逮捕され、2日には両容疑者が再逮捕された。

 木村知事は、両容疑者が起訴された1日の会見では、退職金返上と給与50%減を自らに科し、続投への意欲を見せていた。しかし、2日、県議会最大会派の自民党が、辞職勧告を決議する方針を固め、窮地に立たされていた。

 水谷容疑者らが逮捕された10月12日以降、木村知事はペルー行きを中止するなど公務に支障が出ていた。

 木村知事は旧自治省財政局指導課長などを経て、大阪府総務部長、同副知事を歴任。平成12年9月、当時最年少で知事に初当選した。16年8月に再選され、現在2期目。