三菱重工業で裏金 幹部ら39人処分

三菱重工業で裏金 幹部ら39人処分

 総合重機大手の三菱重工業(東京都港区)で、取引先に水増し発注を行って裏金をつくるなどの不正経理が行われていたことが20日、分かった。同社は不正経理があった長崎造船所(長崎市)と神戸造船所(神戸市)、名古屋誘導推進システム製作所(愛知県小牧市)の幹部ら延べ計39人を処分した。このうち神戸造船所では係長が約100万円を私的流用していたことが分かり、係長は諭旨退職とした。

 平成16年度の東京国税局の税務調査で不正な経理が行われていることが判明。所得隠しと認定され重加算税が課税された。同社によると、当時の裏金の金額は数1000万円。課税金額については「お話しできない」としている。

 国税の指摘を受けた同社で社内調査を実施、長崎造船所など3社は工具やパソコンなどの備品を購入する際、繰り返し水増し請求を行い、水増し分を裏金の形で取引先にプールしていた。

 同社は「備品を購入する際、伝票を起こしたり、上司の了解を取るなどの社内手続きが煩雑だったため、プールしていた資金から支払っていた」と説明。昨年11月に延べ39人を出勤停止1日などの処分にした。

 同社広報・IR部は「決められたルールを守って業務を行うよう社員に再徹底を図った」としている。