組合執行部が「一括返還案」 岐阜県裏金問題

組合執行部が「一括返還案」 岐阜県裏金問題
2006年09月30日07時24分
 岐阜県の裏金問題で、県職員組合の三浦孝雄委員長は29日、返還を求められている裏金2億7142万円を県に一括返還する執行部案を正式に発表した。10月の定期大会で決定したい考えだ。ただ、組合員には不満が多く、承認されるかどうかは不透明。三浦委員長は「県民感情を考えると、返還を長引かせるわけにはいかない」とし、理解を求めている。

 組合によると、組合に移された裏金のうち現金や預貯金として残っているのは約1億6600万円で、多くはすでに役員らが使っていた。この分にあたる約1億1500万円は、組合基金特別会計(残高約4億9千万円)から県に返還する。本来はストなどで給与カットされた組合員を支援するために積み立てた会計だが、裏金返還にあてる。

 約5700人の組合員に対しては、これまで県内12カ所の支部で説明会を開いた。歴代役員が飲食やゴルフ代などに裏金から約5900万円を使うなど流用額が多額で不明朗なことから、返還よりも真相究明を優先させるべきだとの意見が強かった。

 だが、執行部は県民感情も考慮し、一括返還案を押し通すことにした。支部長らで構成する拡大闘争委員会を10月2日に開き、了承を得た上で同月13日の定期大会に議案を提出する方針だ。