闇市場関連、もう1台の測定機も ミツトヨ01年輸出

闇市場関連、もう1台の測定機も ミツトヨ01年輸出
2006年08月26日16時29分
 大手精密機器メーカー「ミツトヨ」による外為法違反容疑事件で、01年にマレーシアに輸出された3次元測定機2台のうち、リビアに流出したものとは別の測定機も、「核の闇市場」経由で転売される可能性が高かったことが、警視庁公安部の調べでわかった。通常は行われる据え付け工事がないまま、今も梱包(こんぽう)されたままマレーシアにあるという。公安部は、ミツトヨ現地法人も第三者に転売される可能性を認識していた疑いがあるとみて実態解明を進める。

 調べでは、ミツトヨの副会長高辻乗雄容疑者(71)らは01年10月と11月に、マレーシアの現地法人に向けて、経済産業省の許可を取らないまま、約500万円の3次元測定機計2台を輸出したとされる。

 現地法人からは02年初めごろ、マレーシアの精密機器製造会社「スコミ・プレシジョン・エンジニアリング(SCOPE社)」に納入された。

 最初の1台は、同社の現地工場でミツトヨ側が据え付け工事をした。工事後の02年末、地元の専門業者によって解体・再梱包され、イラン船籍の船でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに運ばれ、リビアで見つかった。

 次に納入された1台は、梱包されたままでSCOPE社に引き渡された。測定機の設置は専門的な技術が必要なため、通常はミツトヨのスタッフらが行うという。この測定機は荷ほどきされることなく、現在もマレーシアにあるという。

 翌03年には、SCOPE社製のアルミ管がドバイ経由でリビアに運ばれる途中で当局の摘発に遭うなど、核開発関連機器の不正輸出事件が相次ぎ、監視の目が強まった。

 マレーシア当局などによると、SCOPE社は01年に設立。従業員は30人程度で、部品の切断や削りなどをするだけの小さな工場だったとされる。

 パキスタンの核開発機関元所長で「核の闇市場」の中心人物だったカーン博士の右腕で、闇市場ネットワークの金融・マネーロンダリング担当だったとされるスリランカ人男性が、核開発関連機器を調達するためにSCOPE社をつくらせた疑いがもたれている。

 公安部では、不正輸出への監視が強まり、2台目の測定機を輸出できなくなったとみる一方、現地法人が第三者への転売を認識していた疑いもあるとみて調べている。

闇市場関連、もう1台の測定機も ミツトヨ01年輸出
2006年08月26日16時29分
 大手精密機器メーカー「ミツトヨ」による外為法違反容疑事件で、01年にマレーシアに輸出された3次元測定機2台のうち、リビアに流出したものとは別の測定機も、「核の闇市場」経由で転売される可能性が高かったことが、警視庁公安部の調べでわかった。通常は行われる据え付け工事がないまま、今も梱包(こんぽう)されたままマレーシアにあるという。公安部は、ミツトヨ現地法人も第三者に転売される可能性を認識していた疑いがあるとみて実態解明を進める。

 調べでは、ミツトヨの副会長高辻乗雄容疑者(71)らは01年10月と11月に、マレーシアの現地法人に向けて、経済産業省の許可を取らないまま、約500万円の3次元測定機計2台を輸出したとされる。

 現地法人からは02年初めごろ、マレーシアの精密機器製造会社「スコミ・プレシジョン・エンジニアリング(SCOPE社)」に納入された。

 最初の1台は、同社の現地工場でミツトヨ側が据え付け工事をした。工事後の02年末、地元の専門業者によって解体・再梱包され、イラン船籍の船でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに運ばれ、リビアで見つかった。

 次に納入された1台は、梱包されたままでSCOPE社に引き渡された。測定機の設置は専門的な技術が必要なため、通常はミツトヨのスタッフらが行うという。この測定機は荷ほどきされることなく、現在もマレーシアにあるという。

 翌03年には、SCOPE社製のアルミ管がドバイ経由でリビアに運ばれる途中で当局の摘発に遭うなど、核開発関連機器の不正輸出事件が相次ぎ、監視の目が強まった。

 マレーシア当局などによると、SCOPE社は01年に設立。従業員は30人程度で、部品の切断や削りなどをするだけの小さな工場だったとされる。

 パキスタンの核開発機関元所長で「核の闇市場」の中心人物だったカーン博士の右腕で、闇市場ネットワークの金融・マネーロンダリング担当だったとされるスリランカ人男性が、核開発関連機器を調達するためにSCOPE社をつくらせた疑いがもたれている。

 公安部では、不正輸出への監視が強まり、2台目の測定機を輸出できなくなったとみる一方、現地法人が第三者への転売を認識していた疑いもあるとみて調べている。