大阪の看守汚職 数カ月前まで現金授受

大阪の看守汚職 数カ月前まで現金授受

 大阪拘置所看守の汚職事件で、主任看守、桑野勝彦容疑者(37)が大阪府警の調べに対し、指定暴力団山口組系天野組組長、金政基容疑者(66)側から数カ月前まで、複数回にわたって現金を数万〜数十万円ずつ受け取ったと供述していることが23日分かった。2年前の贈収賄以降も、桑野容疑者が金容疑者との癒着関係を続けていたことになる。この間、天野組の組員ら金容疑者の関係者にも拘置所内で便宜を図っていた疑いもあり、府警が現金授受の趣旨を調べている。
 現金が高額なため、監視カメラのない独居房への変更以外にも便宜供与した可能性があるほか、継続的に金を渡すことで今後も拘置されたとき、処遇に手心を加えてもらえるよう抱き込んでおく意図もあったと府警はみている。

 調べでは、桑野容疑者は金容疑者側から、現金数万円から数十万円を複数回にわたって受け取ったとみられる。金容疑者が8月4日に別の強要未遂容疑で逮捕され、その数カ月前に受け取ったのが最後になったという。

 桑野容疑者は金容疑者に3泊4日の家族旅行代金約35万円を肩代わりさせたほか、中古車を受け取ったとされる。

 金容疑者は、中古車を譲渡する手続きの際、受け取る意思を確認するため自ら桑野容疑者に電話しており、府警は両容疑者の親密さをうかがわせる事実とみている。