収賄の看守、組長保釈2日後に車の授受合意

収賄の看守、組長保釈2日後に車の授受合意
 大阪拘置所大阪市都島区)の刑務官が、拘置所内での処遇に便宜を図った見返りに、暴力団組長から乗用車と旅行費用の提供を受けたとされる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同拘置所の主任看守・桑野勝彦容疑者(37)が、贈賄側の暴力団山口組系天野組組長・金政基容疑者(66)の保釈2日後に、車の授受で合意していたことが、大阪府警の調べでわかった。

 金容疑者が拘置所に入った5日後には、贈賄の共犯で逮捕された同組幹部の安江克幸容疑者(42)が旅行を手配していたことも判明した。

 調べに対し、桑野容疑者は容疑を大筋で認め、金容疑者以外の収容者にも、外部との連絡に携帯電話を使わせるなどの便宜を図ったことを供述。金容疑者は事実関係については大筋で認めているが、安江容疑者は否認している。

 調べによると、金容疑者は拘置中、桑野容疑者から監視カメラのない房に移してもらう便宜を受けたとされる。金容疑者は保釈2日後の2004年8月1日、桑野容疑者に知人女性名義の車が必要かどうかを電話で尋ね、桑野容疑者は同年10月、車を受け取った。

 桑野容疑者が費用の提供を受けたとされる東京ディズニーリゾート(TDR)などへの3泊4日の家族旅行は、金容疑者が拘置所に収容された5日後に、安江容疑者が予約し、代金二十数万円を、金容疑者名義のクレジットカードで決済して旅行クーポン券を受領した。

 保釈直後、桑野容疑者が金容疑者宅を訪れ、TDRのパスポート引換券(数万円)と合わせて受け取った。ホテルには金容疑者の通名「天野洋志穂(よしお)」の名前でチェックインした。