有名元弁護士の中1孫 母刺して補導

有名元弁護士の中1孫 母刺して補導
 京都市東山区の元弁護士宅で24日午前7時40分ごろ、孫の中学1年の男子生徒(12)が母親(46)の頭を包丁で切り付けた。母親は病院に搬送され、頭に長さ約5センチ、深さ約2センチの傷を負った。生徒が切り付けたことを認めたため、京都府警東山署は傷害の非行事実で補導した。生徒は「成績のことを言われてカッとなってやった」などと話している。

 現場は祖父宅の1階リビングルーム前の廊下。東山署によると、包丁は刃渡り約20センチの文化包丁で、台所にあったものとみられ、生徒は母親の右後頭部を切り付けた。

 祖母が「娘が孫に刃物で刺された」と119番通報。東山署員や京都市消防局の救急隊員が駆けつけたところ、母親は頭から血を流してあおむけで倒れており、生徒は近くに立っていた。当時、祖父母を含め4人が在宅していた。

 調べに対し「成績のことを言われて、カッとなってやった」と説明しているという。周囲には「医者になりたい」と将来の夢を話す一方、母親への不満を漏らすこともあったようで、同署は詳しい動機を調べている。同日中に京都市児童福祉相談所に通告する予定。

 生徒は公務員の父親と母親、兄との4人家族で、祖父宅の敷地内で西隣にある別棟で暮らしていた。今年3月に地元の公立小学校を卒業し、4月から大阪府内の私立中学校に通い、剣道部に所属。今月20日に終業式があり、夏休みに入っていた。この日は自宅で朝食をとった後、母親の実家である祖父宅に来ていた。

 祖父は、現場主義をモットーとした人権派として知られる、法曹界の超大物。大きな社会問題となった食中毒事件などに携わり、被害者が数万人に及んだ悪徳商法による詐欺事件では破産管財人を務めた。だが、社長を務める会社の債権回収をめぐる告発問題の責任をとり、昨年、廃業している。