鹿島の所得隠し5億、国税が指摘…発注者へのリベート

鹿島の所得隠し5億、国税が指摘…発注者へのリベート
 ゼネコン大手「鹿島」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、2005年3月期までの4年間に約5億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。

 隠した所得のほとんどは、大手製薬会社発注の工場建設を継続して受注できるようにするためのリベートで、下請け会社などに工事を水増し発注して、捻出(ねんしゅつ)していたという。

 申告漏れ総額は、経理ミスなども合わせて二十数億円で、追徴税額(更正処分)は重加算税を含め約8億円に上るとみられる。

 関係者によると、鹿島は03〜04年ごろ、大手製薬会社が発注した山口県内の工場建設を元請け業者として計約99億2000万円で受注。各種の設備工事を下請けの数社に水増し発注して、計約5億円の資金を工面していた。この資金は、鹿島が今後も、大手製薬会社から引き続き工場建設を受注できるように工作するため、製薬会社側に渡すリベートだったという。

 これに対し、大手製薬会社の関係者は「調査した結果、リベートを受けた事実は見当たらなかった」としている。

 鹿島はゼネコン業界トップクラスで、05年3月期の売上高は1兆2900億円、経常利益は約500億円、翌06年3月期はそれぞれ約1兆3400億円、約547億円と、業績を伸ばしている。

 鹿島の話「税務に関することについては答えられない」