宝塚市長の渡部完容疑者

 宝塚市長の渡部完容疑者(47)=六日付で失職=の汚職事件で、神戸地検特別刑事部は二月二十八日、宝塚市内へのパチンコ店の出店に絡み、パチンコ業者から高級乗用車の提供を受けたとして、収賄罪で渡部容疑者を、贈賄などの罪で元パチンコ店経営(42)、パチンコ店経営会社社長(49)の両容疑者を起訴した。

 起訴状によると、渡部被告は、両被告が将来、宝塚市内にパチンコ店を出店する際、便宜を図ってもらいたいという趣旨を知りながら、二〇〇三年十一月二十九日ごろ、両被告から高級国産車セルシオ」(約八百万円相当)を受け取ったとされる。

 調べに対し渡部被告は「わいろと知って車を受け取った」と供述。両被告も容疑を認めている。渡部被告が市長に就任後、パチンコ店経営会社社長(49)被告から車の提供を持ちかけ、現金数百万円を金被告が用意し、パチンコ店経営会社社長(49)被告がローン契約や返済の手続きを行っていたという。

 また、別の贈賄容疑で逮捕された神戸市内の産業廃棄物処理会社社長(60)が特刑部の調べに対し、「昨年一年間で、渡部被告に現金約二百万円を贈った」と供述していることも判明。特刑部は、現金の流れや渡部被告による便宜供与の有無などを慎重に捜査する。

 産業廃棄物処理会社社長は、宝塚市発注の公共事業で便宜を受けようとする見返りに、渡部被告に携帯電話を無償で提供したことも認めており、特刑部は近く、この収賄容疑で渡部被告を再逮捕する。