前市長、「現金1本で」と贈賄側に返答 成田市汚職

前市長、「現金1本で」と贈賄側に返答 成田市汚職
2006年12月22日10時28分
 千葉県成田市の清掃工場管理業務委託をめぐる汚職事件で、管理会社TECの前社長飯塚貴之容疑者(47)らから小林攻前市長(64)に現金の提供を申し出ていたことが21日、県警の調べでわかった。前社長らが「500(万円)か1本(1000万円)か」と尋ね、前市長が「1本」と答えて額が決まったという。千葉地検は22日、小林前市長を逮捕容疑の収賄罪よりも罰則の重い受託収賄罪で、飯塚前社長らTEC側の2人は贈賄罪で起訴する方針だ。

 一方、県警は、別の200万円の授受について、小林前市長と飯塚前社長を贈収賄容疑で25日にも再逮捕する方針だ。

 飯塚前社長らは、清掃工場の管理業務について、05年度も引き続き随意契約で高値で受注できるよう便宜を図ってもらった見返りに、05年3月に小林前市長に現金1000万円を渡した疑いで逮捕されている。

 調べによると、飯塚前社長らは05年1月ごろに業者選定に入札の導入を目指す市改革案で委託額が04年度の実績(約2億6000万円)より約1億円低く抑えられていることを知り、3月に前市長に金額維持を働きかけることを決意。「援助させていただきたい」「500か1本か」との打診に、前市長は「1本で」と応じたという。

 請託を受けた前市長の判断で、市は改革を断念。最終的にTECが05年度の契約を結んだ同年3月下旬、近藤紀昭前副社長(48)=贈賄容疑で逮捕後に病気で釈放=が、前市長の後援会事務所を訪れ、1000万円を紙袋に入れて渡したとされる。