日興、決算利益水増しか 監視委、課徴金を検討

日興、決算利益水増しか 監視委、課徴金を検討

 証券大手の日興コーディアルグループが平成17年3月期連結決算で利益を水増ししていた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が調査していることが16日明らかになった。監視委は、過去最大となる5億円の課徴金支払いを命じるよう金融庁に勧告することも視野に入れており、処分が出れば経営首脳が退陣を迫られる可能性もある。

 監視委が問題としているのは、日興の全額出資子会社である投資会社、日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)と、同社が設立した特定目的会社(SPC)NPIホールディングス(NPIH)の会計処理。

 両社は16年8月にデリバティブ金融派生商品)取引を実施。その結果、NPIは同9月中間期に約140億円の評価益を計上、NPIHは同額の評価損が生じたとみられている。だが日興グループはNPIを連結対象とする一方、NPIHは連結から外しており、連結決算にはNPIの評価益だけが計上される格好となった。

 日興グループは利益を水増しした疑いのある決算書を投資家に開示し、17年11月に500億円の社債を発行しており、監視委は証券取引法違反などの疑いで、処分勧告の検討に入った。