ウィニー開発、元東大助手に罰金150万

ウィニー開発、元東大助手に罰金150万

 ファイル交換ソフトウィニー」を開発し、ゲームや映画ソフトの違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪に問われた元東大助手、金子勇被告(36)に、京都地裁氷室真裁判長)は13日、罰金150万円(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。

 最大の焦点はソフト開発の意図で、検察側は「著作権侵害を企図した確信犯」と指摘。金子被告側は「新技術の検証にすぎない」として無罪を主張していた。

 ファイル交換ソフト利用者の違法行為で、開発者の刑事責任を認めたのは初めて。ソフト開発の現場に大きな影響を与えそうだ。

 起訴状などによると、金子被告は平成14年5月、ウィニーをホームページ上で公開。群馬県高崎市の男性店員ら2人=有罪判決が確定=が15年9月、映画などを違法にダウンロードできる状態にするのを助けた。

 検察側は、インターネット掲示板への書き込みなどから金子被告が著作権侵害への利用を意図して開発したと認定。「現在の著作権保護システムを根本的に破壊するため開発、公開して不特定多数の者にダウンロードさせ、違法コピーの横行を助長した」と批判した。

 一方、弁護側は、被告がホームページなどで違法な利用をしないよう呼び掛けたことなどを挙げ「違法行為を助長する意図も、悪用した者と意を通じたこともない。開発者が共犯として処罰されれば、技術者を萎縮(いしゅく)させる」と反論している。