宮崎県の官製談合事件、安藤前知事きょう出頭要請

宮崎県の官製談合事件、安藤前知事きょう出頭要請
 宮崎県の官製談合事件で、県警は一連の官製談合は安藤忠恕(ただひろ)前知事(65)が主導したとして、8日に競売入札妨害(談合)容疑で出頭を求め、容疑が固まれば逮捕する。

 県警は7日、県高岡土木事務所(宮崎市)が7月に発注した橋梁(きょうりょう)設計業務の入札で、ヤマト設計(本社・東京)に落札させるため談合したとして、県土木部長の藤本坦(ひろし)容疑者(59)や入札参加業者ら8人を同容疑で再逮捕した。この捜査の過程で、安藤前知事の刑事責任追及は避けられないと判断した模様だ。

 調べによると、藤本容疑者らは県環境森林部長、税所篤三郎(さいしょあつさぶろう)容疑者(58)らと共謀し、高岡土木事務所発注の入札でヤマト設計に落札させようと計画。他の参加業者が同社の価格を上回る金額で入札し、同社に落札させた疑い。入札には5社が参加、ヤマト設計が1280万円で落札していた。

 この入札を巡って、県警は税所容疑者ら県幹部2人を同容疑で逮捕。税所容疑者は「知事からヤマト設計を頼むといわれた」と供述している。安藤前知事は昨年11月に宮崎土木事務所が発注した橋梁設計業務を巡り、前出納長江藤隆容疑者(63)らに談合を指示した疑いが持たれている。

 また、県警は7日、藤本容疑者らの再逮捕に加え、新たに宮崎市糸原、測量設計会社員前田哲朗容疑者(49)を同容疑で逮捕した。今回の事件を巡る逮捕者は、これで計15人となった。

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 宮崎地検は7日、ヤマト設計社長二本木(にほんぎ)由文(56)、元国会議員秘書石川鎮雄(68)両容疑者を、競売入札妨害(談合)罪で宮崎地裁に起訴した。