「県政混乱の責任重大」宮崎県知事が辞職願提出

「県政混乱の責任重大」宮崎県知事が辞職願提出

記者会見で辞職を表明する安藤・宮崎県知事 宮崎県の官製談合事件で、県議会から不信任決議を突き付けられた安藤忠恕(ただひろ)知事(65)は3日午後、県庁内で記者会見し、「県政の混乱に対する責任は重大であり、自ら辞することを決断した」と述べ、辞職する意向を表明した。

 安藤知事は辞職願(4日付)を提出、県議会は4日の本会議で辞職を認める見通し。宮崎県警は知事が今回の談合事件を主導したとみて、今週内にも競売入札妨害(談合)容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めており、一連の談合事件の捜査は重大局面を迎えた。

 県発注工事を巡る談合事件では、前福島県知事が9月末に辞職、その後逮捕・起訴されたのに続き、和歌山県でも知事(2日付で辞職)が逮捕されており、約2か月で3人もの県政トップが辞職する事態となった。不信任決議を受けた知事の辞職は、1976年の岐阜県以来となる。

 安藤知事は会見で「県民に深くおわびする」と述べ、事件について陳謝した。しかし、「辞職するからといって関与を認めたわけではないし、何の指示もしていない」と述べ、自らの潔白を主張した。

 知事はこれまで事件への自らの関与を一貫して否定。県議会が1日、不信任決議を可決した後も「辞職すれば関与を認めることになる」として、「失職」を選ぶ意向を示していた。

 しかし、3日の会見では一転、「混乱の長期化を招くことになる」ため、辞職を選んだとし、「自分で決めた。誰にも相談はしていない」などと説明した。

 この事件で宮崎県警は11月16日、土木部長藤本坦(ひろし)容疑者(59)ら県幹部や業者ら計10人を逮捕。同29日には出納長の江藤隆容疑者(63)が逮捕されていた。

 安藤知事は1964年に宮崎県庁入り。人事委員会事務局長、商工労働部長などを歴任した。2003年の知事選で初当選した。