宮崎談合 土木部長「上の意向」 業者選定、知事が指示か

宮崎談合 土木部長「上の意向」 業者選定、知事が指示か

 宮崎県発注の橋の設計をめぐる官製談合事件で逮捕された県土木部長の藤本坦容疑者(59)が業者選定を「上の意向だった」と供述していることが21日、分かった。県庁の部長が「上の意向」と供述したことで、関与が疑われる安藤忠恕知事(65)が指示した疑いが強まり、県警捜査2課も今後の知事立件に向け慎重に捜査を続ける。

 これまで、土木部次長の柴岡博明容疑者(58)が「上層部の意向と聞かされた」と供述。藤本容疑者も誰の意向だったかについては明確に話しておらず、安藤知事は一貫して「関与していない」としている。

 また、談合の逮捕容疑となった昨年11月の入札の際にはほかの業者が落札するとみられていたが、二本木由文容疑者(56)の経営するヤマト設計の支店長が「うちが受注することになった」と入札に参加するほかの4社に伝えていたことも分かった。

 逮捕された業者は調べに対し、設計業務の入札全般について「通常は暗黙の了解で事前に落札するところが決まる」などと供述しているという。

 設計業者間では実績や順番、営業の熱心さなどで落札業者が決まり、調整が必要な際は宮崎県測量設計業協会会長の志多克彦容疑者(65)が中心に行っていたとみられる。関係者は「いわば成熟した談合だった」と話している。

 問題となった談合でも、ほぼ落札業者は決まっていたが、県庁の意向で変更される形となった。

 このため反発したほかの会社が業界団体トップの志多容疑者に相談。志多容疑者は県側に意向を再確認した後、「了承せざるを得ない」と周囲に話していたという。