長崎県で不正会計 組織的裏金づくりか 調査委設置へ

長崎県で不正会計 組織的裏金づくりか 調査委設置へ

不正会計処理の調査について説明する金子原二郎長崎県知事=28日午前11時半、長崎県

 長崎県金子原二郎知事は28日、記者会見し、県庁内の複数の部署で事務用品の購入に絡んで不正な会計処理があったとして、近く外部委員による調査委員会を発足させることを明らかにした。年度末に余った予算を業者側が口座で管理し正式な会計処理を経ずに物品購入費などに充てていたとの証言もあり、組織的な「裏金」づくりの疑いが浮上している。

 金子知事は会見で「私的流用はないが、(適切な事務処理を経ずに)新たな事務用品を購入した事例があった。外部の委員会で早急に調査したい」と述べた。

 県の納入業者の1人は「県庁が架空の請求書を業者に出させ、その代金分を『預け』として業者側が管理し、別の物品購入や簡単な工事代金などに充てることが長年当たり前のように続いていた。預けの残高が1000万円くらいあったこともあった」と証言。「預け」の残高は、数年前まであったという。

 同県では今年6月、元住宅課総務係長が業者に偽造請求書を作らせ、商品券などを購入し私的に流用したとして背任容疑で逮捕、起訴され、公判中に「手口は別の職員に聞いた」と証言した。

 県はこの証言を受け、過去5年分の会計処理について全庁調査に着手。新たに設置する外部委員会と並行して5年以上前の過去にさかのぼって調査し、11月中に調査結果を公表する方針。