福島県下水道工事、佐藤工業会長が談合認める

福島県下水道工事、佐藤工業会長が談合認める
 福島県発注の下水道整備工事を巡る談合事件で、談合容疑で逮捕された地元建設会社大手「佐藤工業」(福島市)の会長・佐藤勝三容疑者(67)が21日、東京地検特捜部の調べに容疑を認める供述を始めたことが、関係者の話で分かった。

 また、逮捕容疑とは別に、同県南部の「あぶくま高原道路」建設工事でも、受注調整にかかわったことを認め始めている。

 関係者によると、佐藤容疑者は8日の逮捕以来、談合への関与を全面否認してきたが、「否認を続けることで社員や会社に迷惑を掛けたくない」と、自白に転じたという。同社の営業統括部長・八巻恵一容疑者(47)も、既に容疑を認めている。

 あぶくま高原道路は、東北自動車道から福島空港を経由し、磐越自動車道までの約36キロを結ぶ地域高規格道路。1994年に事業着手し、2010年度に全線開通の予定で、事業費は約1300億円を見込んでいる。

 同道路工事では県が工区を細かく区切るなどして、地元建設会社による共同企業体(JV)が独占受注できるよう配慮しており、佐藤工業を含むJVも二つの工区で受注している。特捜部は同道路工事でも談合が行われていた疑いがあるとみて、多数の地元業者から事情聴取を進めている。

 佐藤容疑者は、八巻容疑者、空調設備管理会社社長・辻政雄容疑者(59)と共謀し、04年8月20日に実施された阿武隈川上流流域下水道整備工事の指名競争入札で、中堅ゼネコン「東急建設」(東京都渋谷区)と佐藤工業のJVが受注できるよう、入札に参加した他のJVと談合したとして、逮捕された。