岐阜県の裏金、1000万円が使途不明

岐阜県の裏金、1000万円が使途不明
 岐阜県で起きた組織ぐるみの裏金問題で、裏金が移された県職員組合の口座から約1000万円の使途不明金が引き出されていたことが14日、最近、発足した県の調査チームの調べで明らかになった。

 調査チームは「私的流用が確認されれば刑事告発する」としており、現金が引き出された当時の組合幹部らから詳しく事情を聞いている。

 この問題では現金約500万円が焼かれたり、捨てられたりしたことが明らかになっている。

 使途不明となっているのは、当時の副知事らの指示で1999年1〜3月に組合に集められた裏金の一部。この期間の裏金は約5400万円で、同組合委員長名義の普通預金口座で管理されていた。

 うち700万円が訴訟費用の貸付制度の原資に使われたほか、別の裏金口座に移されたり、組合の飲食費に充てられたりし、2000年9月時点での残高は約1000万円だった。

 ところが、同月から01年4月の間に約500万円、01年4月から同年10月の間に200万円と300万円の計3回、約1000万円が引き出され、残高はゼロになっていた。調査チームが調べたところ、この約1000万円の使途に関する書類が一切なく、口座を管理していた当時の書記次長や委員長らも「分からない」「覚えていない」などと答えているという。

 今回問題となった約5400万円を含め、組合には2億5600万円の裏金が集められた。このうち、組合内で約1億1000万円を使い、1億4600万円が現金や銀行口座に残されていた。調査チームでは、このほかにも使途不明金があるとみて、裏金口座の分析を進めている。