5億円流用、1億円を着服 熊本の元信金職員

5億円流用、1億円を着服 熊本の元信金職員
2006年08月12日08時59分
 熊本中央信用金庫熊本市)は11日、元女性職員(34)が顧客の定期預金などから計約5億400万円を流用し、うち1億800万円を着服していたと発表した。7月31日付で懲戒解雇したという。元職員は借金返済などに使ったと認めているが、着服金は返済しておらず、同信金は近く業務上横領容疑などで告訴する方針。

 同信金によると、元職員は91年4月に採用され、県内の3支店で窓口担当として勤務していた。95年8月〜05年10月にかけて計150回にわたり、営業端末に顧客番号を入力するなどして、顧客31人の定期預金を無断で解約したり、普通預金やカードローンなどから無断で現金を引き出したりしていた。

 今年4月には2回にわたり、現金自動出入機(ATM)に現金を補充すると見せかけて1400万円を着服した。

 女性が3月末まで勤務していた水俣支店で6月、顧客が7口計1600万円分の定期預金を解約した際、3口計900万円分が無断で解約されていたことがわかり、発覚した。

 年1回の内部定期監査や、年4回の店内監査でも不正を見抜けなかったという。同信金は「顧客の信頼の厚いベテラン職員だったので、信頼して業務を任せきりにしてしまった」としている。

 同信金は昨年12月にも、元男性職員の着服事件で九州財務局から業務改善命令を受けている。