ヘリポート実現性へ疑問の声も

県民『ごまかしだ』
ヘリポート実現性へ疑問の声も
 沖縄県の稲嶺恵一知事が四日、防衛施設庁の北原巌男長官に提示したヘリポート案に県内からは「ごまかしだ」との反発や、実現性を疑問視する声が上がった。ただ、知事が理由として挙げた普天間飛行場の危険性除去という大義を前に県民には複雑な思いもある。 

 沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は「知事は案提示という一部修正で県民をごまかそうとしているが、これまで言ってきた海上案を中身から崩している。沿岸案に反対という原則は薄らいだ」と批判。

 キャンプ・シュワブに近い名護市辺野古で農業を営む女性(56)は、上空を飛ぶ米軍ヘリを指さし「今でも十分にうるさいけれど、それで早く普天間飛行場が返ってくるなら仕方ないかもしれない。でも新しい埋め立て案はどうなるのか」と不安げな表情を見せた。

 稲嶺知事から県方針の説明を受けた自民党県連の具志孝助幹事長は「普天間飛行場の危険性を除去したい知事の考えは理解できる」としながらも、日米合意との整合性に触れ「難しいかもしれない」と実現性に疑問を呈した。