南部町長選違反事件/買収資金は1人20万円

南部町長選違反事件/買収資金は1人20万円(2006/04/30)
 市町村合併に伴い二月に行われた南部町長選の選挙違反事件で、公選法違反(現金買収の申し込み)の疑いで逮捕された、落選した夏坂秀一氏派の運動員で南部町議(旧南部町議会議長)の沖田周蔵容疑者(59)が、同僚の男性町議(旧南部町議)二人に渡そうとした現金はそれぞれ二十万円だったことが二十九日、分かった。八戸署は同日、沖田容疑者を青森地検八戸支部に送検。現金の出所や他に買収の働き掛けがなかったかを厳しく追及している。

 捜査当局の調べや関係者の話を総合すると、沖田容疑者は昨年十二月二十四日前後のそれぞれ別の日に、町議二人を電話で旧南部町の土建会社事務所に呼び出し、投票と票の取りまとめを依頼。買収資金として現金二十万円を差し出した。
 いずれも面会の場面は沖田容疑者と町議のみで、ほかに立ち会った人はいなかった、という。
 昨年十二月二十日、夏坂氏が現南部町長の工藤祐直氏に立候補をあきらめるよう電話で要請したものの、工藤氏が拒否していたことも同日、関係者の証言で明らかになった。
 沖田容疑者が買収を持ちかけたのはこの直後だった。捜査当局では、沖田容疑者が工藤、夏坂両氏の一騎打ちが確定的となった選挙戦の行方に危機感を抱き、旧南部町議を夏坂氏支持でまとめるため、多数派工作を仕掛けたとみて調べている。