<ライブドア>堀江被告の交際女性のPCに粉飾指示メール

ライブドア粉飾決算の疑いで熊谷代表取締役らを逮捕

 ライブドアグループによる証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は22日、04年9月期連結決算で53億円余を粉飾した疑いが強まったとして、前社長の堀江貴文被告(33)=証取法違反の偽計、風説の流布の罪で起訴=らを同法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で再逮捕した。併せて熊谷史人代表取締役(28)を新たに逮捕した。
 ほかに再逮捕されたのは、前財務担当取締役の宮内亮治(38)▽金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長で前執行役員中村長也(38)▽関連会社「ライブドアマーケティング」前社長で前取締役の岡本文人(38)各被告。
 調べによると、ライブドアは04年9月期連結決算で、実際には3億1278万円の経常損失が発生していたにもかかわらず、企業会計上は売り上げへの計上が認められてない自社株売却益37億6699万円を売上高に含め、子会社として買収した消費者金融「ロイヤル信販」(港区、現ライブドアクレジット)と結婚仲介サイト運営「キューズ・ネット」(港区)に対する架空売上15億8000万円を計上するなどして、経常利益を50億3421万円と虚偽記載した有価証券報告書を提出した疑い。


ライブドア堀江被告の交際女性のPCに粉飾指示メール

 ライブドア(LD)グループによる証券取引法違反事件で、前社長の堀江貴文被告(33)が、女性タレントに贈ったノートパソコンに決算の粉飾を指示する内容の電子メールが残されていたことが分かった。社内で交わされたメールは、内偵捜査情報をLD側が把握した段階で一部削除されたが、プレゼントに記録されたメールが、粉飾決算の重要な証拠となった形だ。
 前取締役の宮内亮治被告(38)ら同法違反(偽計、風説の流布)で起訴された役員が、別宅に置いていたパソコンにも同様のメールが残されていたという。東京地検特捜部はこれらのパソコンを押収しており、堀江前社長らの同法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での再逮捕に向け捜査を進めている。
 関係者によると、堀江前社長は、使わなくなったノートパソコンを交際していた女性タレントに贈ったが、メールなどのデータは消去しないままだった。このため、粉飾容疑が持たれているLDの04年9月期決算を巡って、経理担当幹部などに「決算を絶対に赤字にしてはいけない」「必ず黒字にするように」などと記されたメールが、複数残されていたという。
 特捜部は1月16日に、東京都港区の六本木ヒルズにあるLD本社のほか宮内取締役の横浜市の自宅などを家宅捜索。さらに宮内取締役が六本木ヒルズなどに別宅を持っていることも判明し、捜索した。この際、こうした別宅のパソコンに加え、女性タレント宅にも堀江前社長が所有していたパソコンがあることが判明し、併せて押収したとされる。
 社内で交わされたメールの一部は、昨年12月に特捜部が内偵捜査の中で事情聴取したLD元幹部が、LD側に捜査が及んでいることを伝えた際に削除された。しかし、女性タレントや宮内取締役らが別宅に持っていたパソコンのメールは削除されなかったとみられる。
 一方、堀江前社長は特捜部の調べに対し「黒字にしろとは言ったが、粉飾の指示はしていない」と供述しており、こうしたメールについても「粉飾の指示ではない」と争うとみられる。
伊藤公介元長官:再生機構幹部に入札結果尋ねる 

 産業再生機構が競売するホテル運営会社を巡り、自民党衆院議員の伊藤公介・元国土庁長官が機構幹部に電話し、同社の落札を希望する小嶋進ヒューザー社長との面会を要請した問題で、伊藤元長官は昨年8月中旬にも同じ幹部に電話し、入札結果を問い合わせていたことが分かった。伊藤元長官の事務所も認めている。

 ◇小嶋社長依頼のホテル運営会社

 関係者によると、伊藤元長官は昨年6月、再生機構の企画調整室長に電話。この結果、小嶋社長らは同月16日に室長と面談した。さらに伊藤元長官は1次入札結果が出た後の8月、室長に「ホテル売却の関係で、入札手続きがどうなっているのか」と電話した。室長は「入札中だと思う」などと答えたという。

 伊藤元長官の事務所は「(昨年)8月中旬に、入札結果がいつ分かるのかについて尋ねたことはある」と回答した。

 競売案件はスーパー「ダイエー」の子会社で「西神オリエンタルホテル」を運営する神戸市の西神オリエンタル開発。昨年10月の2次入札で、ヒューザーが最高値で落札し、譲渡契約を結んだ。だが耐震データ偽造問題が発覚し譲渡は中止されている