長崎県警、無断渡航の海曹聴取…秘密漏えいの有無調査

長崎県警、無断渡航の海曹聴取…秘密漏えいの有無調査
 海上自衛隊佐世保地方総監部の1等海曹(45)が中国・上海に無断渡航するなどしていた問題で、長崎県警は1等海曹に対する事情聴取を始めた。

 これまでの海上幕僚監部の調査で、1等海曹は海自の内部資料を自宅で保管していたことが分かっており、同県警では、自衛隊法で禁じられている秘密情報の漏えいにあたる行為がなかったかなど事実関係を調べている。

 防衛庁の秘密情報には、秘匿性の高い順に、機密、極秘、秘の三つの段階がある。これまでに1等海曹の自宅から見つかった資料は、その下の「注意」にあたることから、外部に持ち出しても自衛隊法には抵触しないが、警察当局には「秘以上の資料が持ち出された」という情報も寄せられているという。長崎県警では、1等海曹の上司や同僚などにも事情を聞き、海外渡航の実態を調べるとともに、他に持ち出された資料の有無について確認を進める。

 海上幕僚監部によると、1等海曹は上対馬警備所に勤務していた昨年1月から今年3月までに計8回にわたり、知人の中国人女性が住む上海に無断で渡航。今年2月には、周辺国の軍隊が所有する艦船などの写真を集めた内部資料を、警備所内のパソコンを使ってCD―ROMにコピーし、自宅官舎で保管していた。

 1等海曹は、他の資料の保管や中国への持ち出しについては否定している。