「岐阜のメンツ保つため」発覚後も地労委、裏金で接待

「岐阜のメンツ保つため」発覚後も地労委、裏金で接待
 岐阜県庁の裏金問題で、県地方労働委員会事務局(現・労働委員会事務局)が、問題発覚で他の部署が裏金作りをやめた2001年度以降も不正を続けていたことが9日、わかった。

 他県職員を招いた際の懇親会費用を捻出(ねんしゅつ)するためで、当時の事務局職員は「岐阜のメンツを保つため、裏金でもてなした」と話している。

 県が第三者機関として設置した検討委員会の報告書によると、01年度以降も裏金作りを続けていたのは同事務局だけだった。額は02、03年度で計7万円だが、報告書では「不正経理防止対策後に裏金を作っており、責任は重い」とし、厳しい処分を求めている。

 同事務局は労使間の紛争調停や労組の資格審査などを担当し、情報交換などを目的に、毎年、中部6県で持ち回りの会議を開いている。会議費用は各県が分担するが、当時の職員によると、岐阜県下呂市などで開かれた02年の2回の会議では、会議後の懇親会のビールやおつまみを買う費用に裏金を充てたという。

 さらに、03年の会議では、他県からの参加者を美濃加茂市の観光施設「日本昭和村」に案内した際の貸し切りバスやタクシーの代金を裏金でまかなった。裏金は、職員5人が自家用車を使って会議に出席したのに、列車を利用したことにして捻出したという。

 事務局職員は「他県ではビールやおつまみなどを差し入れてもらった。岐阜だけ何もしないのは恥ずかしく、事務局長以下全員で相談して決めた」と説明。「仕事の一部でもあり、自腹を切ることには疑問を感じた。今、考えれば非常に申し訳ないことをしたと思っている」と話している。